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レビュー

先日の小金井Artfull Jackでの公演のレビューを来来の鈴木真子さんが書いてくださいました!

遠距離ダンス

text : 鈴木真子 (編集者/来来 )  photo:新井梨里子            

 シャトー小金井という建物に初めて行った。夕刻だったので、35年前に建てられたという その複合施設は廃墟のように見える。狭い階段を上がって2階の元ファミレスだったとかいう部屋に通された。床には枯葉が敷きつめられ、丸椅子がぱらぱらと置いてあり、奥にそれほど大きくないプロジェクターがある。
しばらくして、どこか体育館のような場所で踊るふたりの映像が始まった。実は地下にあるスポーツ施設からの中継だ。広々とした空間で自在に遊ぶ「ほうほう堂」のダンスは心地いい。が、やっぱり、Ustreamの画像は荒い。むくむくと物足りなさももちあがる。そろそろ何か起こりそうな予感?まんなかあたりにすわっていたダンサーの神村恵さんが立ち上がった。窓の外を見ている。道路側は全面ガラス窓だ。コンビニと横断歩道を背景に、映像より5秒ほど先をゆく、「ほうほう堂」のふたり。皆、窓側に視線を移しはじめ、瞬時に高揚感が伝播する。暗がりのなかの通行人や信号が、ふたりのダンスに偶然性のようなものまで加味して、「ほうほう堂」の物語は色づく。やがて窓の視界からふたりが消えて、私たち観客が辿ってきた道を、ダンスしながら進むふたりの中継映像を眺める。焦らされながら、登場を待つ。そして、束の間の邂逅。「10分後に会いましょう」といって、また彼女たちは消えた。それから私たちは、係の人の誘導で市役所の第二庁舎の高層の部屋に案内された。窓側に椅子が並んでいる。窓ガラスをのぞきこむと、ビルの屋上のひとつが舞台になっている。小人か妖精か。部屋で聴くなごむ音楽と屋上で踊る「ほうほう堂」のダンスがシンクロしている。見晴らしのよい部屋から眺める極上のダンス。雑音まじりのワープ体験?
 こんな不思議な公演に立ち会えたことに興奮しつつ、小さな部屋は拍手につつまれた。小雨ぱらつく屋上のふたりに、手を振り返す。「ほうほう堂」のダンスを見ると、あったかい気持ちがじわじわと持続するのはいったいどうしてなんだろう。

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開演!              中継中!
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横断歩道!             霧雨中!
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その向こうは夜景!         バイバーイ!

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